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汚れていないのに、汚れているように見えるじゅうたん
2022年05月23日

ちょっと意味が分からないタイトルだとは思いますが「汚れていないのに汚れているように見えるじゅうたん」があるんです。今日はその仕組みについてお話しようと思います。
さて、こちらの写真をご覧ください。

 

 

いかがでしょうか?なんか、よく見ると中央部が汚れているような、大きなシミのようにも見えます。
もうちょっと寄ってみます。

 

 

実はこれ、毛(パイル)の乱れなんです。じゅうたんの上で毛並みに逆らって足で擦ったり、同じところに何年もずっと座ったりしていると、通常の毛の流れに反した毛が出てくるんです。それがシミや汚れのように見えます。

今回のじゅうたんは私が故意に毛を乱しましたので、今ササっと直します。

 

 

すぐ元に戻りました。ただ、これは敢えて毛を乱しましたのですぐ戻りますが、同じところに長年ずっと圧が掛かって乱れた毛だと厄介です。毛先だけが乱れていれば、水を少し噴霧してドライヤーを当てながら手櫛で乱れを直すことも可能ですが、糸の根っこから乱れていると非常に困難です。

ちなみにこの毛の乱れが汚れに見える現象をプーリングと言います。カーペットケアの専門用語です。以前「クリーニング試験にたぶん出ますので覚えた方がいいですよ!」といわれ、必死に覚えた単語です。

最後に、この「汚れていないのに汚れているように見える」原因が毛の乱れではない場合。可能性の一つとして「ウェア―」が考えられます。ウェア―とは毛の擦り減りです。先ほどお伝えした長年同じ場所に座ったり、同じところだけを踏んだりすることによる「毛の摩耗」により、摩耗していない周りの毛との凹凸で汚れたように見えます。この場合もなかなか対処が難しいです。

そうならないためにも、たまには普段と違う場所に座ってみるといいと思います。景色が変わり、今まで気付かなかった新たなじゅうたんの魅力が見えるかもしれません。

けど、「やっぱり汚れているように見えるなぁ」というときは、本当に汚れているのかもしれません・・・。